Gremlin Certified Chaos Engineering Professional - GCCEPro を取得しました

カオスエンジニアリングを行うエンジニア向けに Gremlin 社が提供している認定プログラムに、プロフェッショナルレベルの資格として Gremlin Certified Chaos Engineering Professional - GCCEPro が新たに追加されました。
最近 Gremlin を使う機会があったので、受験して取得してみました。

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カオスエンジニアリング とは

大規模な分散システムにおいては、サービス間の相互作用が予測不可能な結果を招くことがあります。
そのような複雑な分散システムに対し、ふるまいの予測と検証を繰り返すことで、システムの信頼性を高めてゆく取り組みがカオスエンジニアリングです。

「カオスを注入する」という誤解を受けることがあるようですが、カオスな状態を抱えているのは検証対象のシステムです。
その検証手段のひとつが 障害の注入 (Fault Injection) になります。
対象システムに障害が発生した際のふるまいが事前の予測と一致するかを検証するために、システムに意図的な障害(ある程度ランダム性を持たせることがあります)を注入し、システムの脆弱性を見つけ出そうとします。
カオスエンジニアリングは、システムの脆弱性の発見と対処を繰り返してゆくことでシステムに回復力をもたらし、その結果としてシステムの信頼性を向上させよう、というアプローチと理解しています。

Gremlin は、障害の注入をシナリオに沿って計画・実行し、実行結果のログ確認やステータスチェックを行うことができるサービスとなっています。

カオスエンジニアリングの考え方やそれが求められるに至った背景については、カオスエンジニアリングの原則 を参照頂くと良いかと思います。

Gremlin の認定資格

現在 Gremlin の認定資格は 2つあります。

  • Gremlin Certified Chaos Engineering Practitioner - GCCEP

カオスエンジニアリング初学者向けに、2021年6月8日から開始された認定プログラムです。
公式のアナウンスは以下になります。

https://www.gremlin.com/blog/announcing-the-gremlin-chaos-engineering-practitioner-certificate-program/

  • Gremlin Certified Chaos Engineering Professional - GCCEPro

今回取得したのはこちらの資格になります。
2021年10月26日から開始された認定プログラムです。 公式のアナウンスは以下になります。

https://www.gremlin.com/blog/announcing-the-gremlin-chaos-engineering-professional-certificate-program/

試験概要

  • 時間    : 45 分
  • 問題数   : 30 問
  • 合否ライン : 80 %
  • 言語    : 英語
  • 出題形式  : 選択問題、自由記述(単語埋め)問題

受験までの流れと注意点

この資格の受験はトレーニングコースの受講とセットになっています。
こちら からサインアップし、Gremlin Certified Chaos Engineering Professional exam (GCCEPro) のコースを受講することで開始します。
前半はカオスエンジニアリングの攻撃手法、技術的・ビジネス的なメリット、Gremlin の基本的な操作方法などを学べるトレーニングとなっていました。

後半に GCCEPro の受験セクションがあり、そちらに遷移するとすぐに試験が始まるようになっています。
試験問題は一度回答すると受験中は前の問題に戻れないようでしたので、あらかじめ注意頂くと良いかと思います。
受験後はすぐに結果が表示され、その後メールでも受験結果が送付されてきました。

おわりに

シナリオに応じて適切な攻撃手法を選定したり、攻撃手法に応じた技術的なユースケースなどの概念的な知識のおさらいができました。
加えて、各攻撃手法が Gremlin ではどのように実装されているのか、チームで Gremlin のシナリオを管理するためにコンソールのどこから何が設定できるのか、といった Gremlin の使い方の詳細についても、普段自分が使っていなかったメニューの知識を得るきっかけになりました。

試験監督によるモニタリングなどのないオンライン試験で、公式ドキュメントの参照も可能、Gremlin のコンソールを見て回答を確認することも可能(むしろ推奨らしい)、となっていますので、英語での受験が問題なければ難易度はそれほど高くない試験かと思います。
ただし、Gremlin を使ったことがある前提の試験となっている(特定コマンドのパラメータレベルの知識を問う問題もありました)ため、未使用の方はトライアルなどで Gremlin の機能をひととおり試してから受験されることをおすすめします。